「近代戯曲とアーバニズム」マニフェスト

 

我々は都市における群島である。一方通行の路地にある雑居ビルの地下で、声を上げる。

区画整備され貧困者を追放する、こと都会において、人間の良心は無料の経済活動に回収される。それでも我々は、税金を払わされている。物を買うにも使うにも、金を稼ぐとも払っても!

 

「椿姫」の中でマルグリットとアルマンは田舎で本当の幸せを知る。「桜の園」で土地を運用できなかった姉妹は、土地を売って散り散りになる。「人形の家」のノラは、夫が所有する家から出ていく……。

 

都会という蟻の巣の中の貨幣経済を揺るがすものは、アナーキストと呼ばれる。もしもマルグリットが、ユーチューブで成功したら? もしも姉妹がエアビーエヌビーで土地の運用に成功していたら? もしもノラが、自分で家を買って子供たちと一緒に住んでいたら?

 

経済活動に取り残された廃墟ビルに巣くうスクウォットのように。アーバニズムに形作られた都市は、もはや崩壊している。

我々はモダニズムを越える。近代戯曲に描かれた都会を改めて再考する。